
学習道具といえば、鉛筆、消しゴム、ノート、赤鉛筆、がマストアイテムでしょうか。
どういうわけか、どれだけ勉強時間が長いとか、どれだけすごく難しい問題集に取り組んでいるとかよりも、もっと成績と顕著に結びついていると感じるのが、鉛筆の持ち方です。
鉛筆の持ち方がキレイな子はおしなべて地頭が良く成績が良いです。
鉛筆の持ち方は兄弟姉妹で似ることが多いので、家庭環境と結びついているのでしょう。
鉛筆の持ち方が正しいと、字が整って読みやすいという利点もさることながら、疲れにくくなるという大きなメリットもあるので、低年齢のうちからきちんと身につけたい習慣です。
(もちろん、鉛筆の持ち方が正しくなくても、頭の良い子はたくさんいます。)
さて、学習道具のマストアイテムの2つ目に消しゴムを挙げましたが、私はこの消しゴムの存在に懐疑的です。
そもそもなぜ消しゴムが必要なのか。
間違えたらすぐさま消しゴムで消そうとするお子さんがいます。
間違えることを許さない、間違えたら恥ずかしい、という気持ちの表れのようです。
私は必ず、間違えた答えを消してはいけないと指導します。
間違えた答えを消すことは、間違えた事実を消去したい気持ちの表れなので、ほとんど記憶に残りません。
記憶に残らないのでまた同じ間違えをします。
とても効率の悪い勉強法になってしまいます。
間違えは消しゴムで消さず、(黒く塗りつぶしたりもせず)、間違えた答えが後からでもしっかり見えるように線で消して、余白などに新しい答えを書くようにしましょう。
そして、そもそも消しゴムで消すという作業を、もっと”横着”がってください。
消しゴムで消す時間も、労力も、資源も無駄なのだと、もったいないことなのだと、もっとたくさんの親御さんに知ってほしいと常々考えています。
消しゴムはここぞというときだけ、つまりテストの解答用紙にだけ使いましょう。
(間違えたらすぐに消しゴムで消す一方で、解答用紙上の間違えは十分に消せておらず、消し残しがうっすら、書き直した答えと混ざってしまっているようなことがよくあって、いつもあんなに消しゴム使っているのに残念だなぁ、消しゴムを使う本来の目的が失われているなぁ、と遺憾の念に堪えない場面も多々あります)
消しゴムを使わないようにしようとすると、間違えないように書こうとするので、非常に脳を使います。
このとき、この答えで合っているかな、とか、答えを導いた過程をトレースしたりする作業を行い、実はとても思考力を養うことのできるタイミングなのです。
消しゴムを極力使わないようにすることで、時間・労力・資源を削減でき、思考力をブラッシュアップできる。
本当に良いことだらけの習慣なので、ぜひたくさんのご家庭に取り入れていただきたいと思っています。

[経歴]
大学で医療工学を学び、卒業後に家庭教師業のかたわら医師を目指して医学部の再受験を経験。15年以上家庭教師業に携わり、小学生から大学生まで幅広く指導に当たる。子ども向け新聞の編集部に勤務し、学習面を担当していたことも。オリジナル学習問題の作成や入試問題の解説執筆などを経験する。中学受験指導、理数系科目の指導が専門。自身の学習経験・指導経験から、学習に最適な年齢があること、さらには脳の発達段階に応じて直感力や論理力などの様々な力にはそれぞれ伸ばすための適齢期があることを確認。学習人生に最も影響を与える幼児期に着目し、効果的かつ時代の要請に合った教育プログラムを考案。従来の幼児教育に代わる次世代の教育スタンダードとして世界に通用する学習法「スピロメソッド」を企画立案中。3児の母。
[受験歴]
中学受験:慶應義塾湘南藤沢中等部一次合格/鷗友学園女子中学校合格(入学辞退)
高校受験:東京学芸大学附属高校一次合格/慶應義塾女子高等学校合格(入学)/渋谷教育学園幕張高等学校特待生合格(入学辞退)
大学以降:
慶應義塾大学理工学部入学(内部進学)卒
慶應義塾大学理工学研究科前期博士課程合格(内部進学・入学辞退)
大学入試センター試験5教科7科目90%超
東京医科歯科大学医学部学士編入学試験一次合格